そんな顔



この文章を読んでいる貴方は、一体どのような人なのでしょうか。
海のように広大なインターネットの中の、商店街というよりシャッター街と呼んだほうが しっくりくるような場所の、さらに何をしたいのか店主さえも分かっていない お店のようなこのサイトの文章を読んでいる貴方、そう、貴方の事を私は知りたいと思います。 人の命は有限です。この文章を読んでいる一分一秒を、貴方は命を削って読んでいるのです。 考えてみてください。貴方の命を削るほどの価値が、このサイトにありますか? そうです。まったくありません。今すぐウィンドウの右上の×ボタンをクリックしてください。 そして、パソコンの電源を切って、反省をしてください。貴方の大切な時間を無駄にしてしまったことについて、 深く反省してください。私はそれを深く望みます。是非、反省してください。


それでも鼻くそをほじりながら、このサイトの文章を読んでいる貴方。こんばんは、島村敏夫です。
最近、捨て猫を拾いまして、もうかれこれ一ヶ月強ですか。育てているんですけれど、中々難しい。 生き物を飼うという事には、常に責任が付きまといますから、餌にも気を使います。乳離れしたばかりの子猫なので、 ちょっと牛乳を与えただけで下痢にもなりますし、肛門も、臭います。猫のウンチというのは、何故ああも臭いのでしょうか。 肛門も、臭います。それでもやっぱり嗅いでしまうんですね。靴下と同じで、常習性がある。どうしても、肛門を嗅いでしまうんです。 どうもやめられない。一日に、10回は肛門を臭いますね。本当に、臭い。

さて、今日は一体何の話をしようと思っていたんでしたっけ。そう、顔の話でした。
今、鼻くそをほじりながら、この文章を読んでいる貴方。貴方はどのような顔をしていますか? 表情ではなく、器量の話です。ハンサム?美人?かわいい?不細工?私は、三日前にオナホールでオナニーをして、 洗うのを忘れて、ローションと精液が腐り、黄色くなったような顔をしています。貴方は、どのような顔でしょうか。

優しい顔、怖い顔、無個性な顔、いやらしい顔…。人それぞれに個性があるように、顔にも個性があります。 タレント、アイドル、スポーツ選手の精悍な顔…。顔一つで、その人の雰囲気は異なります。顔が大きいと、 頼りがいがある感じ。ハンサムだと、さわやかで、良いイメージ。いかついと、恐いイメージ。
顔で雰囲気が変わり、周りも、それにあわせます。大きくいえば、顔でその人が決まる。人生が、決まってしまう。 器量が悪いと、苦労をする時代です。三日前にオナホールでオナニーをして洗い忘れてローションと精液が腐り、黄色くなってしまったような顔の私には 尚更それが分かります。弟が、特に器量がいいものですから、小さいころからコンプレックスを抱いておりました。

女の子A「ねえ、島村くん。島村くんと、弟くんてさ、本当に兄弟なの?」

島村「うん、そうだよ。どういう意味なの。」

女の子B「うっそだー。」

女の子A「弟くんはかっこいいのにねー」

女の子B「キャハハハハハハハハハ」

女の子A「キャハハハハハハハハハ」

女の子AB「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

その日、私は、大好きなハンバーグを残した。

とまあ、このような感じで、自分の顔というものには、昔から悩まさせられていたのですが、 最近、ある事に気づいたんです。
顔にも色々あり、やさしい雰囲気を出す顔や、頼りがいのあるようなイメージを抱かせる顔、そういった 顔がある、というのは先の文でも述べましたが、その「顔」というものの、ジャンルといいますか、それを限りなく細分化していくと、 どうやら私の顔は、「人に話しかけられやすい」、そんな顔である、ということがわかったんです。 鼻くそをほじりながらこの文章を読んでいる貴方。だから何?とお思いでしょうが、他にすることもなく、こんな 糞サイトの便所の落書き以下の文章を読んでいる貴方、もう少しお付き合いして頂きたい。いや、本当に、話かけられるんですよ、私は。 とにかく、道を歩けば、話しかけられる。嘘ばっかり、何を大げさに、とお思いでしょう。わかります。そうでしょう、そうでしょう。 ですがね、本当なんですよ。

初老の女性「う○こ小学校は、どこですか。」

島村「はい?」

初老の女性「う○こ小学校の場所、わかりますか。」

島村「いえ…地元の人間ではないので…。」

う○こ小学校がどうかは、私の聞き間違いだと思いますけど、とにかく、話しかけられるんです。 運転免許の筆記試験に行けば、

50代の男性「テスト、どうだった?」

島村「はい?」

50代の男性「テスト、どうだった?」

島村「いや、どうでしょうね。受かってるといいですけど、ちょっと難しかったですね」

50代の男性「おっちゃん、三回目なんやけど、ほんま受かってほしいわ。仕事が、でけへん。」

島村「はあ、それは大変ですね。」

ここから30分ほど、人生を語られる。

50代の男性「とまあ、こういうわけなんよ。」

島村「大変ですね…。」

この後、筆記試験の結果が発表され、男性は受かり、私は落ちた。
「頑張ってや!応援しとるで!」
固い握手をし、私たちは別れた。


電車に乗れば、ドレッドヘアでガタイのいい黒人が、泥酔しており、高いびきをかいて、椅子に寝転んでいる。 いやだなあ、と思い、車両の端のほうで小さく震えていると、黒人がガバっと起き、

ドレッドヘアの黒人「オオサカ、ツキマスカ?」

島村「はい?」

ドレッドヘアの黒人「オオサカ…!」

島村「や、これは三宮行きなんで…三宮にはもうそろそろ着きますけど…」

ドレッドヘアの黒人「オウシット!○×△□(何を言っているのかわからない)オオサカ!」

島村「いや、えっと、まじどうしようまじで…。アイキャントスピークイングリッシュ…?」

ドレッドヘアの黒人「ユーキャンスピークイングリッシュ!!」

私は、その日、違う駅で降りた。

道を歩けば、職務質問をよくされますし、スーパーで弁当を温めているだけで、電子レンジについて おばさんに話かけられる。それを見ているおじさんにも話かけられる。とにかく、良く話しかけられる。 でもそんなことは大した問題ではないんです。 去年の夏に、私は背筋も凍るような体験をしたんです。
その日は、夕方から雨が降り、深夜になっても空気がとてもジメジメとしていました。 スーパーで半額惣菜を買いあさり、家路に着く途中、電灯しかない一本道で、私はある男性に声をかけられました。 その男性を見ると、なにやら着物のようなものを着ていました。

男性「ちょっと、道をお聞きしたいのですが…」

島村「あ、はい。どうぞ。分かる範囲でしたら…。」

ああ、いつものことだな。そう思った私は、男性に近寄りました。先ほど、着物のように見えていた服は、どうやら 旅館か、ホテルの浴衣。こんなところに、ホテルなんか、あったかな?そう思いつつ、私は男性の話に耳を傾けました。

男性「○○月堂というホテルなんですけれど、そこに泊ってるんですけれど…。帰り道、わからなくなってしまったみたいで。」

島村「○○月堂…?すいません…地元の人間じゃないので、わかりません…。他の人を呼んで聞いてみますね。」

男性「いえ、いいんです。なら、また歩きながら探します。」

男性の困った顔が印象的でした。 話を聞いておいて、知らなかった自分に罪悪感を感じ、家に帰るとすぐインターネットでホテル○○月堂を 私は調べました。

島村「わ、五駅も離れてる。あの人、浴衣でここまで歩いて来たのかあ。ちゃんと帰れるのかなあ。」

ツールバーを下に移動し、その住所が書いてあるページをスクロールした瞬間、ある文章が目に飛び込みました。





ホテル○○月堂、1996年、廃業。



その日は、2006年でした。

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